「音楽」が持つ力が、心からその力を求めている人たちに届けられているのか、その役割をきちんと果たすことが出来ているのか、という疑問がありました。演奏会には行きたくても行くことのできない方々がいらっしゃることと思います。演奏会のチケットは決して安くはなく、親子やご家族で鑑賞すると、大きな出費になります。「ひとり親世帯の皆様に音楽を届けること」で、音楽によって勇気づけられたり、心を満たしたり、音楽会に家族で足を運んだ、という思い出を作ることができ、子供たちの成長にとっても大切なことだと考えました。また、 吹奏楽部の強豪校の多くの学生たちは、個人的に各楽器のレッスンに通い、また毎年行われる吹奏楽コンクールは歴史的にも古く、多くの吹奏楽愛好家の方がいらっしゃいます。父兄にも経験者は多く、我が子が出場する大会や演奏会はいつも沢山の父兄による聴衆で溢れています。ですがその一方で、吹奏楽を超えて芸術を楽しもうとする文化が同時に育っているとは言えません。本当に「良い音を生で」聴く機会が持てていることが少ないことから、そのチャンスを惜しみなく作ることが、未来への芸術文化の発展に繋がると考えます。